妻に贈る言葉

台風が近づいてる。
日曜日の午後からは大荒れの天気になるみたい。
どこにも出かける用事がないからまだいいね。
でも、お店は暇になるだろうな・・・
子供相手の商売だから、天候にすごく左右される。
しかたないよね。

駄菓子屋のお店をはじめて、４年目になるね。
夏場はカキ氷で大忙しになるけど、普段は「ボチボチ」でんな～。
学校が終わってからは１００円玉を握った子供たちで満員になるけどね。
家の前が子供たちの自転車であふれてしまう。
さっさと買い物をすませて帰っていく子もあれば、
おまえに学校での話をひとしきりして帰る子もいる。
みんな、うれしそうに買い物をしているよね。
小さい子供たちは、入ってくる時からニコニコしてる。
そんな顔を見てると、こっちまでうれしくなるね。

実際、売上も儲けも微々たるモノ・・・
消費税も取れないし・・・
カキ氷なんて５０円で売ってるんだから・・・
容器とスプーンだけでも、２０円以上かかるんだものね。
でも、カキ氷一杯と駄菓子をちょっと買わせてあげたかったしね。
近所の口うるさい人には、いろいろと嫌がらせはされるし、
ホントに割りが合わない商売かもしれない。
「もう、やめたら？」って何度か言ったこともあった。
内職してるほうがまだましかも・・・
でも、学校から帰ってきて大急ぎでやって来る子供たちの顔を見ると、やめられなくなっちゃうね。
みんな、いい顔してやって来る。
キラキラした顔でやって来るもんね。
おまえはそんな子供たちの顔を見ていたいって言う。
おまえはある意味、子供たちのアイドルなのかな？？
子供たちが大人になって、また自分の子供たちを連れてくる。
その頃には、もう「お菓子屋さんのおばあちゃん」だよね。
それまで、がんばってね。