rumi's hole　ー玩具ー

初めまして、って言うのも変かな

メールでは数十回とやり取りをしたし、何度も電話でお話もした
だけと、こうして顔を拝見するのは今日が初めて
丁寧な言葉使いと低い声でイメージしていた通りの姿だった

こんばんわ、そうですね

お互い顔を合わせて笑いあって、予約してあるお店に向う

ちょっと雰囲気のいい個室にとおされる
個室ではあるけれど完全ではない
隣の部屋の話し声は耳を澄ませば聞こえるし
天井には隙間が開いている
通路側は斜め格子戸になっているから
正面に立つと見えはしない

仕事や趣味のお話をしているうちに酔いもまわって少しずつ緊張がほぐれてきた

今日、持ってきてるんだ、足を出してごらん

対面して座っているその人にテーブルの下から足を差し出す
小さな部屋に縄の匂いが充満する

しゅっ　　しゅっ
きゅっ　　きゅっ

んっ

無言で私の目をじっと見つめながら
その人の手はテーブルの下で縄とテーブルの足に
私の足を括りつけている